
整備というと、エンジンがかからなくなったとか煙が出てしまった等の、自動車の「内部的」な修理のイメージがありますが、『車体整備』は主に自動車の「外側」の修理を行います。この二つ、どちらも自動車の整備ですが、まったく異なった知識と技術が必要になります。
では、車体整備の内容がどのようなものか見てみましょう。
【外板修正】

以前は鉄の熱してから急激に冷やすと縮むという特性を利用して凹んでしまったパネルを修理してきましたが、素材の変化により修理方法も変わってきました。修正のためのパネルを叩く力加減が、職人の技と言われるところになります。
【骨格修正】

骨格も軽量化の為にモノコックボディというパネルと骨格が一体化した形状になっております。こちらも事故の際搭乗者を守るために丈夫な素材を使用しております。『衝突安全ボディ』といわれる仕組みは、丈夫な素材を使っているゆえに修正には注意が必要です。しっかりと元の位置に復元する作業が以前と比べ大変困難となりました。
自動車を大破してしまった場合、部品交換をする場合部品を溶接する必要があります。その際には、その溶接強度や溶接箇所も重要なポイントとなります。
【塗装】

塗料の素材も変化してきました。環境問題の改善から有機溶剤(シンナー)排出を少なくするために『水性塗料』というものが導入されました。『水と油』というように水性塗料で塗装されたパネルにはしっかりとした処理を行わないと塗装が剥げる原因となります。
その他にもオーディオやナビゲージョン、ヘッドランプや室内灯といった電装品、ガラス、シートやフロアマットなどの内装品など、様々なジャンルの項目がありますが、車体整備の代表的な項目を上げさせていただきました。