網の模様は、古くからさまざまな工芸の分野で愛好され、特に茶道関係でもてはやされた意匠である。
会津では明治の中頃、置目もとらずに、細密な網絵を描きまくった、通称「網熊」という網絵描きの名人、富取熊蔵という職人がいた伝えられており、会津の網絵として有名になった。
網絵は吸物椀などに描かれるのが普通だが、重箱、菓子皿、棗、香合などにも描かれる日本的な模様である。
表現方法として、黒塗りに朱漆描き、朱塗りに黒漆描き、本朱を蒔いたもの、消粉または平極粉を蒔いたものもあり、網の目も細かいもの、荒いものさまざまある。
DESIGN IDEA(会津漆器伝統技術2)福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター(平成11年3月,16p)P.7・8より転載
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