漆塗りの艶を消すことで、同色の濃淡で模様を表現する技法で、艶消絵ともいう。出来上がったものが緞子に似ていることから、この名がつけられた。
膠、胡粉、水飴(乾燥を調節せつするため)を混ぜた液を温めて、模様を描き(飴描き)、液が乾燥して固まった後、全体を菜種油を付けた布で、炭粉、砥の粉、磨き砂などで、こすって艶消しにする。
それをぬるま湯に浸して、飴描きの部分を溶かし洗い流すと、飴描きで描いた模様だけが、艶が消えずに現れる。仕上げに金消粉で毛打ちして、アクセントをつける技法である。
筋単に早く出来ることから、一時は土産品や引き出物の加飾に盛んに行われたが、今はほとんどみかけない。
DESIGN IDEA(会津漆器伝統技術2)福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター(平成11年3月,16p)P.5・6より転載
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