消金地は、会津のみにて行われて来た独特の技法で、幕末以来、 輸出品として多量に生産されて来た。
大正時代までは、手掌で漆をたたくように塗布し、消金粉を蒔いて来たが、その後、綿で摺り漆をして、消金粉を蒔くように改善された。
消金地は、花塗りの上に行う技法であるために、塵による節は炭研ぎし取り除き、肌を均ーとした後に、胴擦りを行い、その後、摺り漆をするが、その時使用される漆は、辺掻漆(生正味)と釦漆を混ぜ合わせた 漆を使用し、その際の摺り漆は均ーに行う事が重要となり、熟練を要する。
摺り漆後、消金粉を蒔き付け、さらに乾き具合をみたうえで、消金粉を蒔き均ーに粉蒔きを行うことが必要となるが、漆の乾燥具合と蒔き付けが悪い場合などは、光沢、金色、消金粉の使用量が著しく変化し、数多く生産する場合などには、その技術の経験と熟練度が、製作 上非常に重要になってくるものと思われる。
DESIGN IDEA(会津漆器伝統技術1)福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター(平成10年3月,8p)P.5・6より転載
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