鉄錆塗と言いますが、錆を盛り上げて描く錆絵の加飾技法のことをさします。
鉄錆塗の代表的な品物である吸物椀では、蓋表に、梅に鴬の模様を錆で盛り上げ、所々に青貝が埋めてあります。
一見して、さびた鉄の鋳造品のような印象がするように仕上げてあります。
錆絵と言っても、下地用の錆とは違い、砥の粉と生漆を混ぜてから、水を混ぜてゆる<した錆を、染色用の絞り筒に入れ、絞り出すようにして、模様を筒描きします。
蓋裏は朱塗りの上に、会津の代表的な模様である富士山に帆掛け船が、消蒔絵と色漆のぼかしで描かれています。
明治20年頃から大正5年頃まで、盛んに行われた技法で、鉄錆塗は女子の手間仕事だったと言われています。
DESIGN IDEA(会津漆器伝統技術2)福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター(平成11年3月,16p)P.9・10より転載
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