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飯坂温泉の湯野地区の摺上川に面した季粋の宿「新松葉」は約九十有余年の歴史を誇る。創業以来ずっと枯れることなく生き続ける「松の木」がシンボル。
初代の芳賀チヨさんは当時の松葉屋から分家独立し、商売に徹し、あらゆるきめ細やかな心配りを見せ、新松葉の基礎を築いた。
チヨさんは、当時のハイクラスのお客さまを対象に旅館業を営み、お客さまが目覚めない前に、全館をきれいに掃除をして、料理も季節のものを先取りしてお膳(ぜん)に並べるなどお客様の好評を博した。二代目芳賀勇松さんは、上品なお客さまを中心としており、サラリーマンの経理の経験を生かして活躍。
旅館の自慢は、四季折々の素材を全部手作りで心のこもった料理と、大正四年に設置された大理石のふろ(婦人ぶろ、家族ぶろ)。
貴重な原石で、趣のあるおふろと植物の絵がはめ込まれたステンドグラスの間仕切りに調和が取れていて豊富にわき出る温泉が多くの人たちに親しまれている。
昭和三十七年ごろ、鉄筋三階建ての新館を増築し、三十八年には有限会社の会社組織に変更。現社長の三代目芳賀房夫さんは、家庭的でのんびりと落ち着いた旅館づくりをし業績を伸ばしてきた。
泉質効能は無色透明で弱アルカリ性水素イオンで約44度、神経痛、リウマチ、胃腸病、婦人病、創傷、やけど、糖尿病などに効能があるという。
駐車場約二十台、マイクロバスの送迎あり。 |
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